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【書評】プロとして恥ずかしくない 新•WEBデザインの大原則【制作者のための「指針」を示すもの】

燃え尽きたあとのリカバリーに時間がかかっているショートホープです。自分で思っている以上におっさん化が進んでいるようです。

プロとして恥ずかしくない新•WEBデザインの大原則

つい先ごろ発売された「プロとして恥ずかしくない 新・WEBデザインの大原則」、すでに手に入れられた方も多いのではないだろうか。書店で見かけた、あるいは実際に読んでみたという方もおいでだろう。

もともと、本書の前身である「プロとして恥ずかしくない WEBデザインの大原則」が出版されたのが2005年、途中で改訂版が出ているとは言え、技術の進歩の早いWebにあって、10年というのは既に「ひと昔前」ではなくなってしまっている。

そこで、同じコンセプトのまま内容を現状の制作状況•環境に合わせて一新したのが本書だ。

概要

本書は全7章構成となっていて、それぞれ制作環境の背景から現状、これから考えられる方向性•最新技術まで網羅している。

まず情報を網羅することを第一義と捉えているので、それぞれの項目はそのすべての機能を説明するものではないが、その代わりとして、初学者やこれから導入•環境の更新を検討している制作者には非常にわかりやすくあらゆる情報に触れることができる。

また、既に導入済みの制作者でも、いまの時点での制作環境全体の方向性を知る良い手段となり得る。一度導入してしまうと新たな情報をあまりフォローしなかったりするものだが、ひととおりの最新情報を一度に確認できる良い情報源だろう。

目次

1. レイアウト
2. 配色
3. サイト設計&プロトタイピング
4. デザイン&パーツ制作
5. HTML+CSSコーディング
6. リッチコンテンツ&Webアプリケーション
7. 運用•分析•集客•リニューアル

求められている条件

これからの制作者の知識や環境は、どれかひとつの技術に特化したものではなく、いずれの知識も備えつつ自分の分野に活かしていくことが求められていることは、多少なりとも最近の情報に触れている制作者ならば少なからず感じているはず。

本書は導入から使い方まで初歩的な部分ではあるが非常に丁寧に解説してあるので、本書の手順に従って導入することも難しくない。ごく初歩的な使い方と、いくつかの比較する技術も紹介されているので、自分の制作環境にあったものを選択する目安にもできる。

新しい技術と言っても似たようなものが数多くあるので選択に迷う制作者も多いと思うが、本書ではそれぞれの特徴が明快に記載してあるので選択の際の「指針」として非常に参考になると思う。

僕の目線から読んだ本書のポイント「指針」

僕自身はマークアップ業務がメインなので、直接関連する内容としては5〜6章あたりが中心になる。偉そうなことを書いてしまっているが、では実際に最新技術を業務に活かせているかと聞かれると、残念ながらそれほど活かせていないと言わざるを得ないのが現状だ。知識もそうだが技術的にもまだまだ足りないところばかりだ。

前述したような「いずれの知識も備えつつ…」なんて言うのは、現時点ではまったく夢の話でしかない。

そういった自分の立場から本書を読むと、少なくとも僕のような初学者にとっては必要十分な内容で、不足を感じるような部分はなかった。逆に、そのボリュームに圧倒される。そして、それぞれの技術は章分けされていても、その実すべて関連していて、何か一つだけの技術を取り入れるのではなく、全体として以前の制作環境とは違うフェーズに進んでいることに気づく。

「はじめに」にも書かれているように、以前のように「WebページはPCだけから見るもの」ではなくなってしまっているのだ。アクセスはスマホやタブレットをはじめあらゆるデバイスからあり、それぞれのデバイスで正しく表示されなければ伝えたい情報が正しく伝えられない…。それがもう現実のものになっている。

それに対応していくために制作者は何をすべきかの「指針」として、本書は最適だと思う。

現実問題として、制作環境を一気に新しいものに変えるのは無理な話だ。本書を参考にするメリットとして、各章に分かれていることで自分の分かる分野•得意な分野•まず導入したい分野から手をつけることが可能だ。それと並行して各章を読み込んでいけば、次にどこを優先して導入すべきかも分かる。

自分で優先順位をつけつつ他の分野にも目配りができるのは、書籍ならでは「流し読み」できるメリットではなかろうか。

この先、生き残るために

新しい制作環境に慣れ、次のステップに進むには、いまが最後のチャンスなのではないだろうか。

新しい制作環境に早く慣れて、既に自分のものにして環境を移行している制作者と、これまでの制作方法を続けている制作者の格差はますます拡がるばかりだと思う。

確かに本書にもそのように書いてある。しかし、これは単に僕個人の感想でしかないのだが、こういった最新技術を導入して実際に活用している制作者はまだまだごく一部に限られている、とも感じている。

ただ、その差は情報だけではない。もっと現実的な話をすると、例えばこれまでよりもコストをかけずに各デバイスに対応したサイトを作ることで「早く、安く」提示することができたら、クライアントはどちらを評価するだろうか…。

Web制作はレッドオーシャンだと言われて久しい。仮に制作者が普段意識することがなかったとしても、ディレクターなり営業なり少なからずクライアントと折衝する立場の人であれば、きっと肌身に感じているだろう。価格低下の要望、サイト表示環境多様化の要望、表示速度の要望、機能充実の要望…。

クライアントの要望すべてに応えるだけが制作者の仕事ではないと思うが、他方ですべてに応えてかつ「コストをかけずに」制作する制作者と同じ土俵の上にいることは意識すべきだと思う。自分が戦っていくために。

明日のために、来年のために、数年後のために

一度にできることは限られている。人間一人の能力もたかがしれている。そして、技術や知識など先人にはとても追いつけない差がある。本書はそれを少しでも埋める助けになり、かつ進む方向を指し示す「コンパス」たり得るものだと思う。

本書を活用して「最新技術のベースはいまどうなっているのか」を知ることが、いま先端を進んでいる制作者の「いま」を知ることになり、「これから先」を考える大きな指標になると思う。

ちなみに、本書のFacebookページでは、書籍の補足や追加の情報、またさらなる技術などを紹介しているので、是非ともフォローしておくことをお勧めする。

僕は当分この書籍を手放せなくなりそうだ。


プロとして恥ずかしくない 新・WEBデザインの大原則

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