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【書評】モメるシステム開発からの脱却方法とは? 『なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 』

こんにちはイカラシ-イカです。
みなさんシステムをつくっていますか?そしてモメていませんか?
「ユーザ」「ユーザサイドのSE」「SIerの営業さん」「プロジェクトリーダ」……とシステムの構築には多くの人が関わり、それぞれの立場でそれぞれの意見を持っています。そして、それぞれの言い分があってとモメる要素を多く含んだ仕事だなと思うわけです。

なぜそんなにモメるの?

2008年におこなった日経コンピュータの調査「NC特集1:成功率は31.1%」によると、システム開発プロジェクトの成功率は3割。7割が失敗しているという調査結果が出ています。

この高い失敗率は、いろいろな立場からの意見が衝突するという要因が大きいと自分は考えます。
それぞれの思惑が入り交じり、どのようなシステム要件を定義した際の言った・言わないや進捗の遅れ、設計時の仕様漏れや処理速度の不満などなど……
システム開発の全ての工程で「モメ事」が起きる可能性があります。

システム開発のモメ事と解決方法を解説している本の紹介

システム開発のモメ事を「要件定義」から「開発の契約」まで、49のケーススタディでわかりやすく解説した本を紹介します。
『なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術』
マネージメントに対する考え方だけでなく、システム開発の各工程(要件定義作成時や詳細設計など)で必要なドキュメント例も付録として掲載されています。プロジェクト全体のリーダーから、各工程のサブリーダを担う方にとって、資料としても使える本です。

この本の内容は、IT訴訟を得意とした女性弁護士とその周りの「ユーザ」「大手ベンダー」「下請ベンダー」の人々の会話にで構成されています。
少々ライトノベル風の文章で抵抗感を感じる人もいるかもしれません。(自分も少し苦手です。)

著者は東京地方裁判所のIT事件担当民事調停委員を務めている方です。発注するユーザ側でも受注するベンダー側でもない、中立な立場である「第三者」の目から見たプロジェクトマネジメント本となっています。

読んでみて

なんとなくで受け継がれてきた方法でやってきた自分にとって、
ユーザ側、ベンダー側でない新しい目線からのプロジェクトマネジメントに対する重要性の解釈は
とても新鮮で、今後実践していく価値のあるものに映りました。

しかし、正直なところシステム開発はユーザ側とベンダー側の協力が不可欠であり
ユーザ側はベンダーに丸投げしてはいけない
ベンダーもユーザの立場を考えたシステム提案をしなくてはならない。
という内容については、「理想論」だなと思います。
しかし、モメるシステム開発から脱却するには、この理想論を追い続けることが一番近道なのだと感じました。

自分はユーザ側とベンダー側の両方の実務経験があるのですが、ユーザ側にはユーザ側のベンダー側にはベンダー側の言い分があるのです。それをうまくまとめる方法というのを見つける過渡期に今いるのかもしれません。

本書中に

飛行機だってラジオだって、コンピュータよりはずっと古いよね。(中略)その間、これらの産業はずっと苦しみながら品質改善を続けてきた。僕らコンピュータのエンジニアが、まだ天竺につかないのかななんて言うのは、文字通り百年早いのかもしれないよ
(引用元:『なぜ、システム開発は必ずモメるのか?』171ページ)

という言葉があります。確かにIT産業は他に比べると新興産業に分類されると思います。
まだ、若い産業なので理想論で最適な方法(天竺)の模索していく必要があるのかなと感じます。

システムを請け負うベンダーも発注するユーザもモメないシステム開発を実現するために、一度読んでいただきたい本です。

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