WordCamp Tokyo2015を終えて思う2、3の事柄

この記事は『WordPress Advent Calender2015』の18日目に参加しています。
今年は全然ブログ記事が書けなかったのでちゃんと習慣付けないといかんな、と思うと同時に、この時期いろんなAdvent Calenderを目にする機会が多くて、ひとりで黙々と記事を書いている人とかすごいな…と反省しきりのショートホープです。
WordPressのAdvent Calenderでもうひと枠の『WordPress Advent Calender 2015に参加したかった人達のAdvent Calender』でmiccさんとてもいい記事を書いてるので、WordCamp Tokyo2015については僕からは特に書くことはないと思っていたんですがw、つい先日の菱川さんの記事に触発されてちょっと書こうと思いました。

キックオフ前

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去年に引き続き清野くんが委員長を務める、と聞いて、当初は正直複雑な心境だった。もちろん清野くんが委員長をやることに不満・不安は全くなかった。複雑だったのは「本当に委員長をやりたくてやるのか?」ということ。
WordCampのスタッフも3年目ともなればそれなりに中の様子もわかってきて、中心メンバーが如何に大変な思いをして当日までこぎつけるか、終わってからどれだけ真っ白な灰のようになるかw何人もつぶさに見てきていて、特に去年のWordCamp Tokyo2014の慌ただしさは傍目にもとても大変そうだったからだ。
それを経験してなお委員長をやるか、というのが当初の正直な気持ちだった。他にやろうという人がいないから渋々やるのではないか、責任感からやらざるを得ないと思っているのではないか、その点だけが心配だった。

もちろん本人も逡巡したと思うし、相当な決意をもって臨んだであろうことは想像に難くない。

その清野くんから「セッションの責任者をやってもらえないか」と声をかけられたので、二つ返事で承諾した。僕はこれまでほぼ会場担当ばかりだったのでセッションについては全くの門外漢だったが、正直に言って清野くんが委員長だからやろうと思った。結果、僕自身とてもいい経験をすることができた。「少しでも清野くんが楽になるなら」というつもりだったが、すっかり僕の方が助けてもらってしまった。

当日まで

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途中の流れはmiccさんの記事が詳しいので参照して欲しいが、セッションを決めるにあたって清野くんから二つ要望があった。

ひとつは「初心者向けのセッション、ハンズオンを特に多くしたい」ということ、もうひとつは「ハンズオンには当日受け付けを用意したい」ということ。

その理由としては、一つ目は「WordPressをこれから勉強し始める、あるいは最近勉強を始めたユーザーに勉強会やコミュニティを知ってもらい、その初心者ユーザーに参加しやすいセッションを用意したい」というものだった。
僕自身、最初に参加した2011年のWordCamp Tokyoは正直セッションの内容はちんぷんかんぷんwだったが、勉強会で教わった人ブログ記事を読んだことのある人本で読んだことのある人が登壇していたり、わからないながらも楽しく参加することができた経験があったので共感できた。

もうひとつの理由は「当日の会場で『参加したい!』というハンズオンがあっても参加できなかった経験から」というものだった。
確かに、実際のところWordPressをそれほど詳しく知らない初心者ユーザーの多くはたぶんWebでの情報収集もまだそれほどうまくはなくて、事前にCampのサイトでタイムスケジュールをじっくり確認して当日に備える、というのはきっと難しいだろうというのは想像に難くない。
結果としてはそもそも多くなかったハンズオンの募集人数はあっという間に埋まってしまい、特に人気の高かったハンズオンについては当日枠はなくなってしまった。それでも当日「どうしても受けたい」という参加者の方が多くいらしたことはとても有難く嬉しいことで、開始時間直前まで待って来場しなかった人の分を埋める形でどうにか参加していただけてよかったと思っている。

もうひとつ、僕からの要望

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僕がセッション担当としてスタッフ参加するにあたって、ひとつだけ「こうしたい」という考えがあった。
それは「初心者から上級者まで、デザイナーでもプログラマーでもブロガーでもとにかくWordPressのことを知りたい人なら誰でも楽しめる・勉強できるセッションを揃える」ということだった。

これまで僕が参加してきて感じたことは「WordCamp Tokyoは幕の内弁当でいい」ということだ。
なんのこっちゃという話しだが、WordCamp Tokyoは来場者も多く、特に普段は勉強会に参加しないような初心者の参加者が多い印象だった。だからまずそういう参加者が楽しめるセッションは必ず用意する。とはいえ中級者・上級者が来て「つまらない」と思われるようなCampにはしたくない。もちろんブロガーやディレクター、Web担の参加者であっても何か持ち帰るものは必ず作りたい。
何かのトピックに特化した勉強会は他でもできるが、これだけ大人数が同一会場に集まってWordPressに関してセッションすることはそうそうない機会な訳で、であれば「なんでもあってどれでも参加できる」のが僕の理想に最も近い形だった。

これが結果として自分で自分のクビを締めることになるわけだがwww、自分のみならずスタッフにも相当な負担をかけてしまったと思う。ただ、参加者からは総じて良い反応をいただけたようで一安心ではある。

当日

wct2015-session

当日は想像以上に慌しく過ぎてしまい、正直余韻的なものは全くなかったのだがw、幾つか気づいたことを。

これは僕の予想が大きく外れた、というだけのことなのだが、中級者、あるいは開発者向けと銘打ったセッションが軒並み満員だったことが意外だった。
先ほど触れたように、これまでのWordCamp Tokyoの来場者は主に初心者ユーザー層が多く、次にデザイナー、制作者といった感覚でいた。もちろん「初心者向け」セッションもたくさんの来場者で埋まっていたのだが、それこそ出てくる話はひたすらコマンドライン入力ばっかりのような内容のセッションが、立ち見まで出るほど人気だったのは僕の想定外だった。 技術的な面もさることながら、その手法や考え方を知りたいと思う参加者が多かった、つまりはそこがいま制作者に注目されている、ということではないだろうか。ざっと見ただけだが、例えばWordBenchでも見かけたことがない、たぶん制作者で普段WordPressの勉強会にはあまり参加していない(と思われる)来場者が非常に多かったのだと思われた。そういった参加者が多かったというのは、今回のWordCamp Tokyo2015の嬉しい誤算だったのではないだろうか。

ただ、これは運営する側としてはよく意識していないといけない点だろう。例えばWordBenchで同様のセッションがあった場合、そこまで参加者が集まるだろうか?もちろんスピーカーが有名プラグイン作者だったり、セッションのテーマがちょうど注目の技術だったりした面はあったろう。それにしてもそこまで人気だとは…。
裏を返せば、普段そういったテーマで勉強会があったとして、それを求めている制作者までその情報が届いていない、ということではないのだろうか?
もちろんWordCampという規模だったから、ということもあろうが、これからの勉強会の運営のひとつのヒントになるのではないかと思う。

また、これも僕の失敗を晒さなくてはならないwのだが、僕が「こういったセッションこそ制作者・ディレクターに聞いて欲しい!」と思っていたセッションが思っていたようには集客できなかった。
これは完全に僕の手落ちの部分があって、もともとセッション応募があった時点で「セッションタイトルは担当者と相談をしてキャッチーなものにしましょう!」と謳っていたのに、実際はほぼスピーカー任せになってしまった。もう少し上手く調整できていればもっと集客できていたはずなのに…と思うと残念でならない。
ありがたいことにwordpress.tvで近日中に動画が公開される予定なので、是非それからでもいろいろご覧になっていただきたい。

ここの「想定とのズレ」が冒頭の菱川さんの記事の『思ってたんとちゃう!』にリンクするのだが、「内輪受け」ではないにせよ来場者の想定と実際に違いがあったのは、まず僕自身のリサーチが足りなかったのではないかという点だ。当初の想定はほぼ僕のイメージから出発しているので、僕自身の想定が甘かったと言える。
セッションを幅広く用意したことが良かったのかどうかも判断は難しいが、仮にそれで良かったとしてもその先の告知(= プロモーション)はどうだったろうか。
今回も広報担当スタッフは相当細かく事前告知をしてくれていたので、告知そのものが足りない、届いていないということはないと思う。それよりも例えば僕がもっと作戦を練って広報担当と情報共有してより計画的に告知していたら、また違った結果になったと思う。タイムテーブルやセッション内容の公開が遅れたのはひとえに僕のスケジュールの遅れからきたものだった。
今回500円とはいえ有料での開催だったにもかかわらず会場のキャパシティ上限までチケットが完売し、当日のキャンセルもごく少数だったことはある意味プロモーションも成功したと言えるだろうが、想定から大きく外れて空席が目立つ会場を見るのはやはり残念だし、スピーカーの方にも申し訳なく思うばかりだ。

更にもうひとつ、運営する側として気になったのはやはりハンズオンだ。
今回はセッションの数も含め非常に盛りだくさんな内容だったので、ハンズオンのスピーカー、メンターの皆さんには時間的な面、内容の面でかなり負担をかけてしまったと思う。
本来ならば2時間以上かけて行なう内容を90分前後に押し込めてしまったのだから、相当無理があったと思う。手順として本来なら説明に必要な部分を紹介だけで済ませたり、想定の7割程度しかできなかったり、説明し足りない部分も準備の苦労も多くあったと思う。スピーカー、メンターの皆さんのみならず、参加してくださった参加者の皆さんも短い時間に詰め込まれてきっと大変だったと思われる。場所と時間の制約を上手くコントロールできなかったのは自分の認識が甘かったからで、事前の準備などもっと密な計画が必要だったと痛感させられた。

ただ、僕自身の運営に関して上記のような意味合いで100点満点ではないものの、スタッフの努力のおかげで総じて及第点を出していい内容だったと思う。その点については充分満足できるWordCampだったように思う。

最後にひとつ心残りなのは、僕がモデレータとして参加した「ライターと制作者のメディアの作り方」が、僕の準備不足が祟って進行がグダグダだったこと…orz。内容がすごく面白かっただけになおさら悔やまれる。朽木さんおおはらさん、本当に申し訳ありませんでした…。絶対リベンジの機会を作りますからまたお願いします!(もうお前とはヤダとか言われちゃったりして…(´;ω;`)

コントリビューターディ

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2日目のコントリビューターディは単なる参加者として参加したので、純粋に楽しむことができたw
僕はコアコントリビュートチームに入ったもののパッチを送るまで至らず、更にはMさんに僕が使っていたfish-shellを「うっわ、ポンコツですねぇ〜ポンコツ、ダメですよこんなの」と言われて凹みつつ…。

コントリビューターディに参加しながら思っていたのは、「勉強会とかってたぶんこういう『あ、できた!』とか『オレこんなんできるんやでーすごいやろwww』とかでいいんだよな」、ということだった。
コアコントリビュートチームのメンター役だった宮さん(宮内さん VCCWなどの作者)は、この記事にあるようにWordCamp Kansai2015でスピーカーの準備から始めて丸々一年かけて用意してきた、という自負の元に運営していて、本人がどう評価しているかはまた別としてやはりWordPressに貢献する、コミュニティに貢献する姿勢は素晴らしいと思う。同じようにはできなくても、その考え方を共有できたら次はもっと面白いものになるのではないかと思わせてくれた。
WordCamp Tokyoは規模が大きくなってしまっていて、コミュニティ(とボランティア)ベースで運営するのは難しいのではないか、委員長(もちろんボランティア)に負担がかかりすぎるのはコミュニティとして問題ないのか、といったこれからの課題はあるにせよ、参加者一人ひとりの意識の問題で改善していける部分もまだまだ大いにあると気づけたのは大きな収穫だったと思う。

WordCamp Tokyo2015を終えて

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素晴らしい参加者、登壇者、スタッフとともに終えられたことは僕にとってとても良い経験になった。僕自身は反省すべき点は多々あるものの、皆さんのおかげで無事に終えられました。本当にありがとうございました。

僕はWordPressの勉強会は東京近郊のものしか参加したことがないのだが、関東以外のWordPressの勉強会にも是非参加したいと思っている。ありがたいことにWordCamp Tokyoには日本中から(もちろん海外からも!)登壇者や参加者が集まってくるので、会いたいと思っていた人にもたくさん会うことができるのだが、その地方のカラーであったり地元に密着した活動にもとても興味がある。その意味でも、今回「WordBench枠」を用意できたことはとても良かったと思っている。
何より、勉強会の醍醐味は「直接話せて聞ける」ことだと思っている。懇親会が本番、と言われる所以でもあるがw WordCampに限らず、例えばWordBenchでも魅力的なコンテンツを用意して上手にプロモーションできればきっと参加者は来るはずで、ではコミュニティ・ボランティアベースでどこまでできるの?というところは永遠の課題なんだろうか…?それを改善していくためにまた来年スタッフで参加します!…と言うほどにはまだエネルギー貯まってないなorz

残念ながら今回のWordCamp Tokyo2015を終えた今でも、これからの勉強会のあり方や運営の明確な方向性は僕自身見つけられていない。
ただ、そのヒントになるものはたくさん得られたので、そこを拠りどころとして次に活かしていきたいと思う。

特にまとまりもない文章におつきあいいただいてありがとうございましたw ぜんぜん2、3の事柄じゃなかったですね…(´・ω・`)
最後になりましたが、今回の記事の写真はなおさんNoelからお借りしました。ありがとうございました!
明日の担当はhinaloeさん(WordCamp Tokyoにいらしていればご挨拶したかった…!)と今回のWordCampにスタッフ初参加だった慎太郎くん

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